ないものねだり


君はいなかった
はじめから
いなくてよかった
最期まで

僕によって作られた肖像
我ながら傑作
すばらしき名作
誰にも評価されない
当たり前が嫌い

泣きじゃくるほどに
必要なものは
なかった
そうだろう?

手放したらきっと
戻ってこない
描いた夢なんて
どうでもよかった

願いはどうせ叶わない
叶うはずないって
僕が一番知っている
フンッて鼻を鳴らした
あの子より醜い
でまかせばかりの偶像崇拝

この世に人が多すぎるから
適当に排除してあげる
ふたりきりの世界
きっともうすぐ手に入る

あ、
間違えて
君、
殺しちゃった