百億光年のあいだに


すこし走ったら
足がもげた
地球にあった
すべてが過去形
いまはもう

テレビで見た
たまごが割れる瞬間
ゆっくり流れる
時のあいだに
出てきたのは
ひよこかきみか

ひとつ残らず
雨粒ひろって
チョコレートが
好きなあの子の
笑顔がとけた
理由もすべて
噛み砕いた

迷子になった
子どもを
救ってくれるのは
だれ
一向にむかえない朝で
いつか
ひかりが怖い
夜行性に
彼は成り下がるでしょう
かなしむことはない
とても冷たい
眼をして
すでに
死んでいるのです