炭酸水


こころがしゅわしゅわしゅわしゅわ
炭酸水のようだ
これは消えてしまうのかな
ドライアイスのように
泡がまるで穴みたい
ぱちぱち割れて 飛び散ってゆく

ぼくには時間なんてなくていい
永遠があればよかったんだ
そうすれば死ぬという逃げ道もなかった
あの子が死ぬこともなかった
時間に限りがなくても 何かすればよかったんだ
頭の悪い神様は それしか思いつかなかった
時間に限りがあっても 何をすればいいのか
ぼくには教えてくれなかった
卑怯者 と呼ぶのは誰の声だろう
いつか必ず死んでしまうのに
時間は尽きてしまうのに
なんのために生きているんだ

こころがしゅわしゅわしゅわしゅわ
炭酸水のようだ
次第に弱くなっていく
なにもしないとね
なにかしないとね