霧に包まれた君の姿


雨がふる
傘をさす
そうすることによって
かなしみは埋もれる

コンクリートににじむ
蒼くなる影
雨粒を食べる
奇快な虫たち

かすみゆく視界
君に会っても
気づかないだろう
下を向いて

ぱたりと止まった足音
僕は傘をとじて
走り出した
まるで逃げるように


君に会いたい
君に会いたい
君に会いたい なんて
思ったらだめだ