眠りに落ちる前の呼吸
シャンプーのにおいがぷかぷか踊る
ぴしゃりという音
バイクが通る
ぶいぶいいわせてんだ
眠りに落ちる前の呼吸
すでにどこかへいっている
寝返りをうつ
汗はべたりと肌につく
うっすらと吹く風は
誰かの寝息
ため息をつく
不眠症の誰かのために
押入れの中でうずくまる
出ておいでってやさしい声がする
それは君じゃないってこと
知っていたはずなのに
やさしいのは君じゃない
君はやさしくなんかない
愛しているのは誰?って
毎晩訊いてくるんだよ