スパンコールの雨


スパンコールの雨が降る
君は傘を差さずに 手のひらを差し出している

きらきらとまるで夢のよう
さらさらと風が吹く
君の手からこぼれおちるしずくを
僕は黙って見ていた

スパンコールの雨が降る
君は傘を差さずに 軽やかに踊る

君は僕の手を握って
闇の中を走り出した
どこへ行くのと聞いても
君は何も言わずに走った

どんどん雨が強くなっていく
君は息を切らしながら走る
僕も必死で後を追う
だけど、

手を離してしまった
その瞬間
僕は転んだ
君は気づいていないのか
走り続けている

僕は君の名前を呼ぼうとしたけど
そういや 名前を知らなかった
君は走り続けて どんどん小さくなっていく
そして 見えなくなってしまった


君は
スパンコールの雨の中に消えていった
それは
昨日の夜のことだった