浮遊する言葉


くらいくらいくらいくらいで
浮遊できるんだ
さびしさばかりが先行する
夜はまったくの白紙で
波打つ鼓動だけを聴いている





口を開くと
言葉がこぼれ落ちて
かたちをとどめずに
きみの胸に届く
そうしていつか消える
かなしみを残すのは
一体何の所為なんだろう





誤解はといてゆけばいいし
きみはそのまんまでよくて
ぼくもそのまんまでいいのさ
そういう
きみが好きなぼくは嫌いじゃない





遠くで星が砕けるのを見た
あんなふうになってゆくのかな
波打つ鼓動をききながら
ゆるやかにぼくは浮遊していたい