十七歳、夏の日、センチメンタル


ばいばい、と
手を振るきみが
どこかまだ好きだった
あの頃、
わけもわからず泣いていて
あの人はうなずくだけだった
抱きしめるなんてことは
絶対にしてくれなかった
それは、あたりまえ で
好きとか嫌いとかで
つながっている間柄ではなかったからだ
たったそれだけのことで
また意味もなく泣いてしまった

たいせつ が
たくさんあって
傷つけてばかりだけど
それでも、

しあわせ
しあわせなんです
ありがとう

いつか
すべてをひっくるめて
好きだと言えたらいい
胸を張って、今一番
しあわせだと言えたらいい

誰かが壊したような空
泣き腫らしたような夕焼け
見上げて
駆け出したくなった
あの、夏の日