あえて名前はつけない


いつかのぼくは天才だった
ように
明滅しているのです
この世はしばらく
眠りにつくでしょう
花が枯れても
かなしむことはない
ふたたび色は戻ってくるのさ
だれも約束しなくても
かならず
きっと


無敵じゃない
ぼくがほしいのは
ハートのエースさ
たったひとつの
それだけで
生きるすべてを
よろこびに変えるよ


逃げないで いてくれれば
ぼくはすぐ そこへ行くよ


うぶげに覆われた声で
ぼくを惑わすつもりだろ
わかってる
だけど
すこし夢をみてる
どうせ苦い目をみるのなら
あまい夢だってみたいのさ


映画館の張り詰めた空気で
ぼくはきみに近づきたい
ありがちなストーリーでいい
くちづけをする隙をさえあれば
そのタイミングさえ掴めば
あとはもう
想像におまかせ


いつかのぼくは天才だった
ように
これからぼくは天才になる
だから
きみはぼくに期待していい
こんなことばかりが
続くかもしれないけれど
不安になってもしょうがないから
すこしでも信じてほしい
それが
すこしでも長く続くように
ぼくは祈るよ
そういって
きみを不幸にしても
いつか幸せにするから
ちゃんとするから


だから
世界に見捨てられたとしても
ぼくはまだ生きれる




53分の1よりもっと低い可能性でぼくはもがく
笑いたければ笑えばいいさ
めげないって決めたから
ぼくはもう なにもこわくないのさ