カプチーノ


夢の後味は
雨上がりに似ている
ほんのり苦い香りが
漂っている



目をつむって
吸い込んだ
すこしだけ
肌寒く
目がさめる
寝癖のまま


笑顔とか
そういうのは
全部溶かしてしまって

なにもなくなった
ちいさく
ゆれて
電線の雨粒が
落ちた


ぎゅっと
誰かが
ぼくの胸を掴む
振り向いたけど
誰もいない
誰もいない
ひとりぼっちだったの
忘れてた


へいき
平気だよって
強がっていないと
強くなれないんだ
ぼくは弱いから
ぼくは
弱いから


そうやって
まだ
迷っているけれど
結果は同じ
わかってる
いつかは終わる
終わるから
さよならはいつも
ポケットの中にある


気のせい
気のせいなんだって
言われなくても
わかってるよ
気のせい
気のせいだけど
気のせいでいいって
思った
思ったんだ