サナトリウム


サナトリウムで僕ひとり
透明ななにかに守られている
自由と拘束のなかで生きている


ゆるされているのだろう
僕が
ゆるされているのだろうか
僕は
苦しまぎれに息をしている


サナトリウムで僕ひとり
まぶたを開くと
そこは一面の青で
塗りつぶされていた


水平線が
ゆるく溶け始める
太陽も月もいないのに
なぜだろう
とてもあかるい


僕はそこで
まぶたを閉じると
浮かんだ闇が
とてもとてもまぶしくて
もう二度と
まぶたを開くことができなくなってしまった
、しまったのだ


そうして


僕はやすらかな眠りに落ちた