sa.ma.yo.i


いつもそうだ
希望にまみれた人ばかり
バスは吐き出していく
なんにもないぼくは
帰るところなどないから
降りることができない


次第に、あたりは闇になり
誰もいなくなった
バスはぼくだけを乗せている
一体誰が運転しているんだろう
誰もいないのに
ぼくは一番後ろに座っているから
わからない


ゆれている
ゆれている
バスがゆれているのだろう
それとも
ぼくがゆれてるのかな


ずっとずっと
憧れてたけど
もうあきらめたよ
もう忘れたよ


いつまでもぼくは
降ります、のボタンに
触れることができない
ずっとずっとできない