生きている


生きている
というのは
そう、
ぼくじゃなく
他人だ。

それは人じゃなく、
空かもしれない。
花かもしれない。
風かもしれない。
海かもしれない。
ぼくたちは
そういうところから
感じ取り、
生きていると思うのだろう。

生きている心地
というものは、
自分だけでは
つくり出せない。
そこに空があって、
そこに花があって、
そこに風があって、
そこに海があって、
そこに誰かがいて
はじめて、
生きている心地がするのだろう。

生きている と
感じることは、
簡単なようで
難しいことだ。
いちばんわかりやすいのは、
誰かが死んだときだろう。
生命を持つもの とくに人には
多大なるエネルギーがあり、
ぼくたちはそれを浴びて、
生きている と
感じることができるのだ。

生きている
ということに
感謝しなければならないのは、
決してひとりきりでは
生きている と
感じることができないからだ。

生きている
ということが
よろこびであっても、
かなしみであっても、
ぼくたちはそれを
肯定し、
受け入れることが
できる。
そういう生命体だと
ぼくは思っている。