生きている 生きている というのは そう、 ぼくじゃなく 他人だ。 それは人じゃなく、 空かもしれない。 花かもしれない。 風かもしれない。 海かもしれない。 ぼくたちは そういうところから 感じ取り、 生きていると思うのだろう。 生きている心地 というものは、 自分だけでは つくり出せない。 そこに空があって、 そこに花があって、 そこに風があって、 そこに海があって、 そこに誰かがいて はじめて、 生きている心地がするのだろう。 生きている と 感じることは、 簡単なようで 難しいことだ。 いちばんわかりやすいのは、 誰かが死んだときだろう。 生命を持つもの とくに人には 多大なるエネルギーがあり、 ぼくたちはそれを浴びて、 生きている と 感じることができるのだ。 生きている ということに 感謝しなければならないのは、 決してひとりきりでは 生きている と 感じることができないからだ。 生きている ということが よろこびであっても、 かなしみであっても、 ぼくたちはそれを 肯定し、 受け入れることが できる。 そういう生命体だと ぼくは思っている。 |