曖昧な輪郭をなぞる


あなたの前で
ぼくは溶け出す
ほんとうは
ほんとうは
こんなはずじゃ
なかったのに、


薄い膜に
包まれているから
遠くがよく見えない
ぼくが近づかなければ
あなたの顔は
忘れてしまう
あなたはもっと
ぼくを忘れる


約束はきっと
守られてしまうから
たぶんぼくは
ずっとこのまま
ずっとこのままで
いるのかな
それでぼくは
いいのかな


好きという気持ちが
必ずしも
幸せにつながるとは
限らないから
ぼくは
悲観的になってしまうけど
それでもぼくは
あなたを好きになりたいな と
ぼんやりだけど
そう思ったのです