( ) ぼくについてのかなしみは、 ぼくのかなしみであり、 ぼくがかなしむことであるから、 きみはかなしまなくていいのだけど、 それでも、 きみにすこしかんがえてもらいたいという、 そういうわがままはぜったい、 ぜったいにゆるしてくれないんだろうな、 な。 きみはかみさまなんかみたいに、 つごうよくあらわれて、 つごうよくきえるような、 そんなひとではないから、 ぼくはかみさまなんかには、 ねがったりしないよ、 ただすこし、きぼうを、 たったすこしのきぼうを、 しんじてみたいだけさ、 ぼくはおろかだから、 きみをすきになってしまう、 それはまるでひつぜんのようで、 それはアドリブだったのだ、 きみがぼくをすきになることがないのは、 そう、 きみはシナリオどおりのヒロインだからさ。 それは、 あたりまえだから、 あたりまえのように、 すぎていくまいにち、 すれちがうぼくら、 きょうもあえることはないけれど、 それでもおなじそらのした、 どこかでわらえていたらいい、 どこかでわらえていたらいい、な。 |