からっぽの月


センチメンタル
ぼくをおっことす
ありとあらゆる穴に向けて
投げたボール
放物線を描いて
空のほう
白く光って
消えた

センチメンタル
あおくまぶしい空
空は空洞だから
ぼくを受け入れてくれる
よるになると
ぼくが投げたボールが
月になって輝く
だれかがそれを見て
きれいだと言う

きれいだと言う。