落日


この世の終わりみたいな
サイレンの音をきいた
プラットホーム、


すべてのひとが
しあわせになれないなら
ぼく以外のひとが
しあわせになればいい
そう思ったよ
ほんとだよ
きみがしあわせになればいい


すこし遅れた電車で
ぼくは目的地に向かう
流れる景色
太陽が傾いていくよ


これもいつか
色を失くしてしまうのかなあ
それならぼくは
なにかしなくちゃな、


なにか なんて
わからないけど
でもさ、
このままでいたくないんだよ
わかるかな


そんなことを
ぼんやり思っていたら
いつの間にか 夢うつつで
慌ててぼくは
電車を降りたけど
急いだりなんかしなかった



光が
光がさ、
きれいでね
何色ともいえない
なんともいえない
光がとても
きれいでね、


ぼくは
急いだりなんかしなかった
ぼくはできるだけ
ゆっくり歩いた


いつかみんな
消えちゃうなら
それだけでいいな、
それだけでいいよ

いつかみんな
消えちゃうなら
ゆっくりでいいな
ゆっくりでいいや


そうしたら
すこしは
忘れないでいられるかなって
なんとなく
なんとなくね
そう思ったんだよ
わかるかな
わかってくれたら
うれしいな


このうたに
意味なんてないよ
それだけだよ
それでもぼくは
大切にしたいんだ