水のようだ


空を描いてクイックターン、
ビルとビルの狭間で
きみはとてもしなやかに
うつくしく、

透明だけど色がある
ゴーグルはすきじゃない、
ただよっているさかなは
酸素がなくても息ができる

都会の人は違うな
社会人は違うな
排気ガスの海で、
ぼくがおぼれて死ぬ前に

プールのにおいがする、
きみの髪がなびく
空気に触れる、
ぼくは触れている


よみがえる記憶は
まるで
永遠のよう

水のようだ