□ きみは、完璧すぎた。 だからきみは死をはかった。 きみは、完璧すぎた。 いらないものなどなかったし、ほしいものだってなかった。 きみは、完璧すぎた。 穴を掘り穴を掘り穴を掘りつづけても、出てこなかった。 きみは、完璧すぎた。 とちくるったダンスがとくいで、それはそれはうつくしかった。 きみは、完璧すぎた。 だからぼくには必要不可欠で、だからみんなこぼれていった。 きみは、完璧すぎた。 きれいをふりまいて、それだけのことで、みんなその気になって、ひとりのこらずころしてゆく。 さいごは自分もころすといっていたけれど。 ぼくはそんなことを知るよちもなく、何番目かのこいびとになり、おろかに死をまつことになった。 みんな地獄へゆく。きみが降ってくるのを待ってる。 ばかばかしくおもえてくるかい。 みんなみんなそうじゃないのかい。 いつかは死ぬことになるし、それをわかったつもりで、真っ暗闇のなか、希望がみたいんじゃないのかい。 生きるってそういうことじゃないの。 きみは、完璧すぎたから、きっとそれをしらない。 そしていつまでも死なない。 きみは、完璧すぎたから、いらなかった。いらなかったんだよ。 だからまっさきにきみが死んだんだ。 地獄で待ってるね、なんてわらって。 ぼくを地獄へ突き落とすように。 ぼくがころすまえにきみはしんだんだ。 |