まっしろな未来


手のひらをひろげてもなにも返ってこない。
わるいことばかりおこる気がするけれど
そんなことはない。
どうしてこんなことばかりおぼえてしまうんだろう、
どうしてたいせつなことをわすれてしまうんだろう。
わすれたくないから、何度も反芻する。
いいことだけをポケットにしまって
あたたかくしておきたい。
つらくなったらポケットに手をつっこんで
まだ大丈夫だと思いたい。
いつかちゃんとたいせつなひとの手を
ぎゅっと握りしめたい。
いつかちゃんとたいせつなひとを
抱きしめてたいせつにしたい。
ただそれだけ、ただそれだけなのに
ぼくらは求めすぎてシンプルになりきれない。
どうしてこんなことになってしまったかなあ、と
くるくるくるくるしている。
そんなことより前を見てしあわせを感じたい。
ただもうそれはシンプルに
ばかみたいに希望を信じてたあの頃みたく
ただひたすらに歩きたい。
明るいのか暗いのかもわからない、ただまっしろな未来に
すこしずつ、けれどもしっかりと、色を描いてゆきたいんだ。