りんごとナプキン


悪い子だと言って
悪い子だと言って
ぼくはぼくを正当化したいから
叱ってくれ
罵ってくれ
ぼくはぼくを泣かせたい
傷ついたろ?ほら、

冷たい 血、血、血
ウエイトレスが駆けてくる
白いナプキンを持って
大丈夫ですか、大丈夫ですか
頭の中で回る
ただの幻想
きれい、きれいだね
これだから 世界は

遺産でできた山
黄金の人だかり
敵を作れ 敵を作れ
撃て! 的を射る光

ぼくは死んだも同然だった
誰も知らない方法で
生きていたのに死んじゃった
生きていたから殺された
どれもこれも全部遺書だ
額縁に入れて飾っておいてくれ

死んだほうが世界は鮮やかだった
ただそれだけのことだったんだろ
ぼくが死んだのも あなたが死んだのも
それを見せるためだった
ふたたび舞い降りるための奇跡
手に入れるためならいくらでもしたよ
なくしたくなかった 引っかき傷のひとつさえも
密閉された空間のなかで ひとりでに開いた扉から
“ぼくは天国で死にたい”
ささやかな祈りを