地球はまわる


ほんとうは、100億光年まえに生まれるんだった。
まちがえて、100億光年あとのぼくがしんだ。
早とちり。もう手遅れ。
「この話、なかったことにしませんか。」
都合よく逃げて、まわってくる付けが、いつになるかと待ちわびて、眠っているうちに、夜は明けなくなっていた。

ほんとうは、100億光年あとに生まれるんだった。
まちがえて、100億光年まえのぼくがしんだ。
「この話、なかったことにしませんか。」
簡単に言うけれど、簡単には忘れられない。
うまくいってばかりの人生だったら、ろくな死に方をしないんだよ。

あわてんぼうのサンタクロースがこの街に来た頃にはもうこどもたちの姿はなかった。