夜渡り低気圧


さああ、夏の雨が降る。しずかに夜を渡る。
どこへいくつもりもないけど、ここを離れていく。
遠くで呼んでる声がする。幻聴かもしれない。
矢印にしたがってみるけれど、まちがいかもしれない。
結局さまようことになる。いつだってここにいたいわけじゃない。いつかはここにいてはいけなくなる。それはわかってる。
ゆっくりと進んでいく。誰かにとっての後ろかもしれない。前へ。ここから見えるほうへ。
不確かな正しさを追い求めても意味がないことを知ったよ。だから採点するのはやめよう。
いつかはここを離れて、いつか戻ってくるかもしれない。その頃には新しくなって、みんなを驚かせたいね。