まひるのゆめ


ぼくが手にしたいのは、そっちじゃないってこと、きみはよく理解してくれたね。
きみがもつ手のひらはうつくしい。皺を一本書き足そう。
きみの耳のかたちがぼくは好きだったんだ。
きみはそれを知らずに今日もヘッドフォンで塞いでる。
夢を遮断したのは、真昼の横断歩道で、踏切なんかじゃなかった。
歩道橋をうまくつかおう。赤信号では目を伏せて、一息ついた冬。白く、かじる。
あくびをして頭をリセット。そうだ、その裏のボタン。
ものぐさなぼくに似た寝癖の猫。ひらり舞い降りてすぐ消えた。
そんな夢を見たいな。あの公園で、ひだまりのなかで、寒さを消して、今、

まひるのゆめ