ハッピーエンドを妨げる夜という魔物のはなし ★いつ死んでもいいようにいつだってハッピーでいたい。ハッピーエンドが待ってるよ。ハッピーエンドが待ってるよ。そういって満足して死にたい。死んだら満足したい。遺言はもう決まってるんだ。「めでたしめでたし」で、ぼくは人生を終わりにしたい。 つまりぼくはハッピーになりたいから生きている。だから肯定したい。世界はうつくしいと思いたい。死んで満足するために。 ハッピーエンドが迎えに来るのを待っている、それこそがハッピーなのかもしれない。もしそうだとしたら、人生万歳というところだな。 一瞬でハッピーになることはあまりないけれど、一瞬をハッピーにすることはできる気がするから、ぼくは前を向いていたい。 なのにどうして夜はぼくを悩ませようとするのだろう?まるでハッピーでいたらいけないみたいに。 ほんとうにどうかしてるんじゃないかって、ぼくは思うけど夜は言ってくる。「どうかしてるんじゃないか?」って。 だれが真実をもっているかなんて、ぼくはしったこっちゃないけれど、気になるのはたしかだ。 目の前のものが真実だとわかっているけれど、ほかのひとの目も気にならないといったらうそになる。 ぼくだってひとりで生きているわけじゃないし、いつだってハッピーでいられるわけじゃないから、不安なんだ。 不安を夜は甘やかす。持ち前の闇で、目の前を真っ暗にしてやりたいんだってさ。 だからぼくは目を瞑ってやる。そうしたら自然と朝になる。目の前のことがはじまる。 もうそれで、いいじゃないか。どうしていけないんだ。夜はわけのわからないことをいう。そうしてぼくは一番最初の文章からまた読み上げる、★ |