カミツレ


なくした最後の一枚
君にはまだ 届かなくていい
頬杖ついて眠くなる
ただそれだけの午後

誰かいるかな
誰もいないといい
誰にも会いたくない
住宅街

かたむいて
ななめになった坂道で
転んでも 平気なふり
しなくちゃなんないのか

わからない
どうして
たいしたことではないのに
どうでもいいと思えない

ひとりになりたいのに
ひとりにさせてくれない
悪いことはしないのに
なぜだか悲しい

今度星を見に来よう
窓の灯が消えたら
畑の広い空に
浮かんでいるはずだから

しばらくしたら忘れるけれど
その頃にまた夢で見る
うまく思い出せない
花火みたいな星