遮光 さようならとお別れしたっていつかは夜がくるね。 朝はこないのに。 涙で体温を上げないで。 夢はさめないままがうつくしいんだよ。 目障りなきみがいなくなった。 ころされるほどきみはよわくないし、ころすほどぼくはつよくもない。 無理をしないでいいだけ。 暗くなってようやく息ができる。 明日またひとり死ぬよ。 あと何人残っているかな。 戦うほどぼくはつよくないよ、負けるほどぼくはよわくもないけど。 すきもきらいもなくなった世界で、死だけがまぶしい。 からだを焦がしていくよ、愛情にも似たあたたかさで。 |